「延命する洗車」と「毎回リセットする洗車」| inside the story

ブログを書くのが久しぶりなってしまいました。

ここ最近はカーケアについて色々と考えを巡らせていました。
(狭義のカーケアであり、整備系のケアではなく美観のケアです。)
あと、洗車屋がカーケア用品を販売することについても色々と考え直している最中です。
で、少しブログの執筆が疎かになっていました。

少し反省をしながら、今回は研磨成分についてです。

カーケミカル剤における研磨成分の有無やその内容の表記については、なかなか腹落ちしにくいものだと個人的には感じています。
定量的ではなく、定性的な説明に終始されています。

「塗装を削るものではありません。」と、、、

僅かなメーカーさんは、定量的にコンパウンドの何番手相当ですと説明してくれています。
色々な事情があると思いますし、研磨成分は削るというハレーションが起きやすいものだと思います。
よって、自分自身で使ってみて判断するしかないものだと認識しています。

私自身は研磨成分についてはポジティブに考えています。
ペイントクリーナーや下地処理剤、クリーナーワックスなどに配合されている研磨成分で、傷が付いたと感じたことはありません。
ただ、コンパウンドで傷を修正しようとした時に、白く靄がかかったようになってしまったことはあります。

この研磨成分ですが、結局はその硬度と粒子サイズ(形状)などと、そして対象面の硬度で関係性が成立しているはずです。
この関係性については、「 14 油分除去剤(メンテナンスクリーナー)#3 | K’s Garage Works」で既に書かせてもらっています。
つまり、単純にクリア層や施工したガラス・セラミックなどのハードコーティング層のモース硬度が、研磨成分のモース硬度より柔らかければ影響があるだろうということです。
無論、それ以外の要素も多々あります。

今回、カーケアについて色々と考えていたと言いましたが、私は研磨成分が配合されているクリーナーワックスを好んでいます。
私は研磨成分についてはポジティブ思考です。
「洗車で落ちない汚れ」を落とせて、艶出し保護も同時に行えるクリーナーワックスが好きなのです。
ただ、それは洗車のたびに使える常用できる国産のクリーナーワックスに限られています。
つまり、研磨成分は配合されていますが、常用しても問題ないレベルの研磨成分です。
これは、長年私自身が使ってきた実績から判断しています。
メーカーサイドもハードコーティング施工車にも使用できると説明されています。
前述の硬度と粒子サイズ(形状)、それに潤滑成分など配合だと考えています。

しかしながら、ガラスコーティングを施工したオーナー様からは、研磨成分は使わないで欲しいとのリクエストがありました。

当然ながら、影響はないと認識していても研磨成分は配合されているので、嘘はつきたくないので研磨成分未配合のケミカル剤を使用しました。

リピートをいただく度に、この【BUDDICA PHOENIX BODY】 PHOENIX BASE を使用していました。
ただ、メーカーサイドは下地処理剤と称していますが、シリコーン・レジン・カルナバなどが配合されているためクリーナーワックスと同等と認識しています。
当初は、艶出しシャンプー、下地処理剤、簡易スプレーコーティング剤の 3 製品でした。
下地処理剤なので、使用サイクルは 3 ヶ月〜半年に 1 回ぐらいとされていました。
今回、その使用サイクルが気になり始めました。

製品構成上の単なる目安なのか、製品上の制限なのか?
例えば、毎回の洗車で使用したら問題が生じるのか?

少し気になり始めたのと同時に、「洗車で落ちない汚れ」「延命する洗車」「毎回リセットする洗車」について再考し始めました。

目次

「洗車で落ちない汚れ」

カーケアの世界で、「洗車で落ちない汚れ」と言う言葉を見聞きするかと思います。
具体的にそれは何かと考えると、固着し始めた、あるいは固着した汚れかと考えています。

  • 鉄粉
  • スケール(ミネラルデポジット、水アカ、水シミなど)
  • 虫、樹液、鳥フン
  • トラフィックフィルム(強い油汚れ)
  • 酸化、くすみ

これらは、鉄粉除去剤、スケール除去剤(酸性)、アルカリ性洗剤、ペイントクレンザー(研磨成分未配合)、ペイントクリーナー(研磨成分配合)、研磨剤などで対処を行います。

「延命する洗車」

「延命する洗車」とは、一度リセットをして何かしらのコーティングを施した以降は、結果としてそのコーティング層を延命する洗車です。
コーティング層が機能しなくなった時には、リセットして再施工するか何かしらの対処を行います。

カルナバワックス・ポリマーシーラント・ガラス・セラミックコーティングで考えれば、以下の通りかと認識しています。

  • カルナバワックス・ポリマーシーラント
    洗車とクイックディテーラーなどのディテーリングスプレーなどで維持・延命。
    ただし、洗車によって弱体化していく。
    ペイントクレンザー(研磨成分未配合)、ペイントクリーナー(研磨成分配合)などを使用すれば除去される。
    スケール除去剤使用は問題はない。(界面活性剤の配合量によると考える)
  • ガラスコーティング
    洗車とクイックディテーラーなどのディテーリングスプレーなどで維持・延命。
    ペイントクレンザー(研磨成分未配合)の使用は問題ない。
    ペイントクリーナー(研磨成分配合)の使用では弱体化、あるいは除去される。
    スケール除去剤使用では弱体化、あるいは除去される。
  • セラミックコーティング
    洗車とクイックディテーラーなどのディテーリングスプレーなどで維持・延命。
    ペイントクレンザー(研磨成分未配合)の使用は問題ない。
    ペイントクリーナー(研磨成分配合)の使用では弱体化、あるいは除去されると思われる。
    スケール除去剤使用については不知。(耐薬品性能による)

つまり、「洗車で落ちない汚れ」を落とそうとするケミカル剤であるにも関わらず、その使用で施工したコーティング層を弱体化・除去してしまう結果となるのです。
よって、汚れ除去のケミカル剤を使用しない洗車となります。
しかしながら、前提としてコーティングを施すことにより、防汚性を保持するため「洗車で落ちない汚れ」が付着しづらくなることがあります。
とは言え、絶対付着しないとは誰にも断言はできないものです。

この背景から、昨今「対薬品性能」という言葉が出てきました。
アルカリ性、酸性の液剤に対して、そのコーティング剤は耐え得る力を備えているかです。

また、レイヤリングというコーティング層の上にもうひとつコーティングを施すのもそうです。
ベースとなるコーティング層を守るために、犠牲となるコーティング層を重ねるのです。

ただ、個人的には少し無理があるように思え、塗装面を守る行動からコーティング層を守る行動へ変貌し始めたと感じています。
基本的にはコーティングを施していても、汚れが蓄積固着し始めたら汚れとともにそのコーティングも除去して、再度施工することが正道だと思っています。
リセットと呼ばれる施工です。

しかしながら、ガラス・セラミックなどのハードコーティングは、簡単に再施工できるものではないと考えます。
何故なら、再施工するにも工数(手間)と費用がそれなりにかかってしまうはずです。
再施工については、既存のコーティング層を除去するのかしないで良いのかは、私にはよく分かりません。
ただ、除去するのであれば、削り落とすしかないように思います。
それに対して、カルナバワックスやポリマーシーラントなどのソフトコーティングは、簡単に除去できて簡単に再施工できます。
これが、私がソフトコーティングを好む理由のひとつです。

「毎回リセットする洗車」

カーケアについて色々と考えを巡らせていたのが、この「毎回リセットする洗車」でした。
「延命する洗車」に対して「常にリセットする洗車」は、洗車の度に「洗車で落ちない汚れ」も落として艶出し保護を行う洗車です。
つまり、汚れを極力固着させない洗車です。

ただ、リセットする洗車といっても、洗車界隈(洗車フリークさんやディテーラーさん)でスタンダードになっている下記の方法とは異なります。

  1. 洗車
  2. スケール除去(スケール除去剤)
  3. 油脂汚れ&酸化くすみ除去(ペイントクリーナー)
  4. 鉄粉除去(鉄粉除去剤)
  5. コーティング

このスタンダードな方法は、PROVIDE さんの推奨施工方法が主流になったものと認識しています。
PROVIDE さんの製品説明ページを読むと、詳細な手順が記載されています。
有難いものです。

このような多工程作業を屋外の出張洗車で施工することは現実的ではないと痛感しています。
また、大量の水を持参しなければなりません。
よって、私は国産のクリーナーワックスを使用しています。

  1. リンスレス洗車
  2. 軽いスケール除去+油脂汚れ&酸化くすみ除去+コーティング(クリーナーワックス)
  3. +α(スプレーワックスやディテーリングスプレー施工)

今現在はこの施工方法が標準となり落ち着いています。
当初、スタンダードなやり方を出張洗車でもやっていましたが、ノイローゼになるぐらいに辛かったです。
その頃はコーティングに天然カルナバワックスを適用していたので、尚更でした。

国産のクリーナーワックス

クリーナーワックスは、研磨成分が配合されたペイントクリーナー(油分除去剤)に艶出し保護成分が配合されたものです。
All In One ケミカルとも呼ばれ、海外でもよくあるものです。
しかし、私があえて「国産のクリーナーワックス」と表記しているのには理由があります。

「洗車するたびに使える、常用できるクリーナーワックス」を指しています。

海外製のクリーナーワックスもあるのですが、研磨力が強い設計だと認識しているからです。
海外では、塗装面の状態が悪化した場合には、DIY で研磨を行う傾向にあります。
塗装面の修正、Correcting と言う表現で研磨を普通にします。
また、製品説明の動画などを視聴すると、頻繁に使うものではないと明言されてます。

そして、「国産のクリーナーワックス」と表現しているものは、今は亡き AKI Car Wash Service さんのクリーナーワックス(ピッチレスコート)であり、その系統のクリーナーワックスです。

これらの製品には研磨成分が含まれています。
しかし、洗車するたびに使用する前提で設計されているため、配合されている研磨成分がマイナス方向へ働くことはありません。(洗車サイクルは月に 1 回以上で想定されていると思います。)

これは、私自身が AKI Car Wash Service さんのピッチレスコートから始まり、齊藤◯美装さんの Mighty3 を 20 年以上使用してきた実績から判断しています。
谷岡/美装さんの CLEATING 01 「艶」は最近発売されたため、ちょこちょこと試している最中です。
現時点では、良くも悪くもピッチレスコートと同じ印象を感じています。

このような常用する前提で作られたクリーナーワックスは、他に存在するのか不明です。
少なくとも、私個人として認知しているものはありませんでした。

ただし、当然良い面だけではなく、これらのクリーナーワックスは耐久性が弱いと個人的には感じています。
これは実体験なのですが、屋根あり駐車場から屋根なし駐車場(青空駐車場)に引っ越した時、以前の感覚で全然大丈夫だろうとと思って 1 ヶ月以上洗車をしなかったことがあったのです。
その結果、見事にルーフへ陥没痕のダメージを受けてしまいました。
クリーナーワックスでメンテナンスをしていた時の話です。

降雨の後や夜露朝露の時期、晴天の朝方にはこのように太陽に照らされてジリジリと水分が蒸発していきます。
日々このような状態が繰り返されれば、その部分は汚れとともに水シミへと変貌します。
そして、いつしか陥没痕となり、洗車で対処できない状態となってしまいます。

ただ、カルナバワックスやポリーマーシーラントであれば、その耐久性はクリーナーワックスより断然秀でてい流ことは事実です。

研磨成分を使わないメンテナンス

ガラスコーティングを施工したオーナー様からの「研磨成分は使わないで欲しい。」とのリクエストから、研磨成分未配合の下地処理剤(クリーナーワックス)を使い始めたことは前述の通りです。
当初は、汚れ落ちが弱いのだろうと思っていました。
しかしながら、予想に反して、研磨成分配合のものと遜色はなかったです。
何故か軽い水アカも落ちてしまいました。

その時から、研磨成分が配合されていなくても洗車メンテナンスができるのでは?と感じ始めました。

洗車毎に研磨成分抜きのメンテナンスクレンザーを適用して、スプレータイプのオーバーコート剤を施工するのが最良ではないか?
研磨成分の役割は、スケール除去剤に担ってもらえば済む話。
ガラス・セラミックコーティング、ワックス・ポリーマーコーティングなどを施工しても、汚れを除去する酸性ケミカルやアルカリケミカル、油分除去剤などを適用すれば、それらのベースコーティングを除去・弱体化させてしまう。
であれば、耐久性があるコーティングではなく、施工性がよく耐久性が低いコーティングを適宜使用するのがカーケアの本質に近いのでは?

このように考え始めたのです。

何故なら、クリーナーワックスの配合されている研磨成分は、汚れの除去力を上げるためだと思っています。
その汚れのターゲットは、固着し始めた汚れ(スケールやデポジット)ではないかと。
つまり、溶剤では除去できず、物理的な除去を試みる。
俗に言われる「酸化くすみ除去」については、メインターゲットではなく付加価値的なターゲットではないか?
そもそもチョーキングを起こし始めた塗装には、研磨力が強いペイントクリーナーを用いる。
よって、研磨成分を抜きにした場合、必要であればスケール除去剤やデポジットクリーナーを適用すれば良いはず。
具体的には、PROVIDE さんの No.4 や A-06 、GANBASS さんのデポリンやデポリーナです。
これらを状況に応じて適用し、使い分ければ機能差異はなく、むしろボディに対しては削るのではなく溶解するので優しいはずです。

となると、必要なのは洗車ごとに常用できると明示されているペイントクリーナー、あるいはクリーナーワックスです。
AKI さん系のクリーナーワックスと同じ設計思想の製品です。

RE:NU

探したところありました!

Lil Detail lab. さんの CHEMICAL LABORATORY ラインの RE:NU です。
CLEANSEBALANCE です。

CLEANSE が皮膜・汚れのリセット剤で、油分や古いコーティング被膜、交通汚染物質などの 有機汚れを除去し、塗装面を素の状態へ戻すケミカル剤。
石油系溶剤ではなくグルコール系溶剤を使用。

BALANCE が表面コンディションの安定剤で、洗車やケミカル使用後の塗装面を整え、水シミ・ミネラル由来の軽度付着物を除去しながら、表面状態を均一に整える化粧水みたいなケミカル剤。
なお、BALANCE は洗車のたびに使用することが OK と明示されています。

いずれも研磨成分は未使用。

なかなか面白い製品ですし、私が考えていた洗車システムにぴったりマッチするように感じています。
ただ、仔細はよく分かってはいませんし、これから試してみる状況です。
ですが、前述の「研磨剤を使わないメンテナンス」において、洗車後に BALANCE を施工してスプレーワックスで仕上げることにとても適している気がしています。
そして、何よりもガラス・セラミックコーティング施工車にベストマッチしていると思います。

ただ、価格が高いと感じています。
まとめ買いでのディスカウントがあるのですが、常用することを考えると少し気になります。

いずれにせよ、早急に試してようと思っています。

最後に

今回の記事の素直な思いです。

どんなガラス・セラミックコーティングであっても、
どれだけ硬い硬度であっても、
どれだけ長い耐久性を保持していても、
日常生活の中で使用していれば必ず付着する「水シミ(無機汚れ)」や「油汚れ(有機汚れ)」を落とすには、
酸性やアルカリ性、場合によっては研磨成分配合のケミカル剤などが必要です。
カルナバワックスやポリマーシーラントも同様です。

そして、それらを使うたびにコーティング層は確実にダメージを受け、撥水性や被膜が弱体化します。
であれば、、、

「強固なベースを守るために気を使って洗車するくらいなら、最初からリセットしやすい犠牲被膜(オーバーコート)を毎回トップに作り直す方が合理的であり本質的である。」

と考えたのです。

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この記事を書いた人

横浜の洗車屋です。
K's Garage Works の代表であり Valeter となります。
K’s Garage Works は、私の個人事業の屋号(ブランド)です。
前職は 30 年以上システムエンジニアをしていましたが、早期退職後、セカンドライフでは組織に属さない個人事業者を選択し現在に至ります。
私自身のバスケットリストをゆっくりと消化しています。

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