「#1 Prologue」でも執筆した「 AKI Car Wash Service 」さんについて書きたいと思います。
「バケツ一杯の洗車術」
洗車設備や水道設備が無い住居環境下において、洗車は出来ないのか?
この悩みを解決してくれたのが、「 AKI Car Wash Service 」さんの「バケツ一杯の洗車術」でした!
ただ、その手法は驚くほどに衝撃的でした!?
必要なものは、水を入れたバケツひとつと綿タオル 2 枚だけ。
ひとつの綿タオルは、緩く絞って水を含ませた水拭き用。
もうひとつの綿タオルは、水を絞った拭き上げ用。
そして、水を含ませた水拭き用タオルをいきなりボディに滑らせるのです!!
今でも覚えています。
このやり方で、初めて E39 に施工したときのことを。
「大丈夫なのか?、大丈夫か?、本当に大丈夫なのかっ??」と傷が入ることを懸念して、脳内パニックに陥りながらも施工したことを、、、
結果としては、大丈夫でした!
厳密に言えば、いきなりボディコンタクトをしているので傷が入らない訳ではないと思います。
ただ、その傷は意識できるようなものではないということです。
つまり、シャンプーを使った洗車やワックス掛けを行ったボディコンタクトレベルと同等なのだろうと自分は認識しています。
ガソリンスタンドの洗車機と比較すれば、圧倒的な差で優しい洗車手法だと思っています。
この「バケツ一杯の洗車術」は、惜しげも無く「細野美装」さんのウェブサイトで公開されています。
「 AKI Car Wash Service さんの面々 」
ここで少し話が変わりますが、「 AKI Car Wash Service 」の創業者である大原さんが第一線を退いたのか定かではありませんが、ケミカル類の販売元は上記の「細野美装」さんに正式に継承(移管)されたとのこと。
自分が認識している「 AKI Car Wash Service 」さんの系列関係は以下の通りです。
あとはスピンアウトされた方々。
直系の方々のところでは、同じケミカルを同じ金額で購入出来ます。
スピンアウトされた方々のところでは、オリジナルのケミカルを購入出来ます。
自分は、スピンアウトされた方々のケミカルを好んで購入させていただいています。
その理由は後述します。
「リンスレス洗車」
そして、話は戻りますが、この「バケツ一杯の洗車術」を覚えてから、およそ 20 年間今日に至るまで自分自身の洗車手法となっています。
このスタイルは、今現在で言う「リンスレス洗車」そのものだと思っています。
1989 年にこのスタイルを確立させた「 AKI Car Wash Service 」さんは、時代を先取りし、国内おける「リンスレス洗車」の先駆者でありレジェンドだと認識しています。
あくまでも、自分が個人的に推測する範疇ですが、当初は苦肉の策だったのではないのだろうか?と感じています。
出張洗車サービスの顧客ターゲットを外車ディーラーなどとした場合、顧客単価も高いだろうし、ショールームにはターゲットとなるクルマは沢山あり、商品である以上光り輝く状態を維持しなければならない。
だけど、ショールーム故に水を使う事が出来ず、水道設備も無い。
さあ、どうする?
であれば、濡れ拭きしかない。。。
というような感じでは無いかと感じています。
そして、この「バケツ一杯の洗車術」は、「ピッチレスコート」というクリーナーワックスと対をなすものではないかと認識しています。
「ピッチレスコートというクリーナーワックス」
「ピッチレスコート」で検索をかければ、色々と情報が出てくると思います。
とても優れたクリーナワックスだと思っています。
汚れ除去能力は高く、傷を埋める隠蔽化(フィラー機能)能力も高く、ボディの擦り傷やサンバイザーの傷隠蔽化の動画が多くあります。
「ピッチレスコート」の主成分は、シリコーン、有機溶剤(石油系)、界面活性剤、超微粒子研磨材です。
ただ、洗車業界の闇と言いますか、「 AKI Car Wash Service 」さんでは「研磨材は入っていません。」と言い切っています。
これは、自分が使用し始めた時から現在までそのような説明をされ続けています。
実際に、大原さんからアフターフォローのお電話を頂戴したときも、そのように言われていました。
ですが、使用してきた実績から現実を見れば、何かしらの研磨成分は包含されているはずですし、入っていなければ辻褄が合わなくなってしまいます。
要は、汚れを掻き取る成分です。
ただ、「研磨材」と言うキーワードは、残念ながら一般利用者からはとてもネガティブに受け取られるキーワードです。
自分も以前はそうでした。
イメージが先行してしまい、どうしても粗いコンパウンドや紙やすりのようなイメージを彷彿してしまい、コーティング層や塗装面が削れてしまうと思われがちのようです。
メーカーや販売元も苦慮しているようで、「クリーニングパウダー」とか「肌調整剤」などのキーワードを用いることもあるようです。
このあたりの業界事情は、「バンバン」さんの動画がとても判りやすいです。
「お客さまに誤解を与えない。」
このことが背景にあるのだと思います。
因みに、「斎藤美装」さんではブログなどで、「サザンクロス」さんは成分表記に「シリカ微粒子粉末」とビシッ!と記載されています。
そういう意味では、「 AKI Car Wash Service 」さんでも、「超微粒子溶液剤」とは書かれているのですが。。。
「バケツ一杯の洗車術」でボディ表層面の軽い汚れ(埃や塵など)だけを落とし、本格的な汚れ除去はクリーニングワックスで除去対応を行う。
これが「 AKI Car Wash Service 」さんの流儀だと思います。
また、自分自身でも、この流儀を採用しています。
つまり、水を掛けられない&水で濯げない出張洗車という環境条件下では、このスタイルが最適な手段のひとつだと認識しています。
そして、この流儀を構築された「 AKI Car Wash Service 」さんは、自分の中では出張洗車におけるパイオニアであり、師匠であり、レジェンドだと思っています。
昨今のフォーム洗車や 3pH 洗車など、環境条件が許せばこの流儀よりもベターであることは認識しています。
それに、「バケツ一杯での洗車術」後の汚れ除去工程においては、クリーナーワックス一択では無く、油分除去剤や酸性ケミカルを使用して行うことも理にかなっていて効果的だと思っています。
要は、コストや時間などをトータルに考えて、シチュエーションに合わせて一番効果的な手法を適宜採用すれば良いと思っています。
「最後に」
自分が出張洗車サービスを始める至ったのは、「 AKI Car Wash Service 」さんの存在が大きかったです。
自分自身の洗車におけるコアとなっています。
ただ、華やかさが無いスタイルです。
地味な洗車スタイルですが、地道にクルマを輝かせる職人スタイルです。
逆に、そこに魅力を感じているかも知れません。
自分は、正式に「 AKI Car Wash Service 」さんで学び、独立開業した者でありません。
あくまでもひとりのユーザーとして、その手法とケミカルを愛用してきただけです。
ただ、一度だけお誘いを受けたことがありました。
タイミングが悪かったと言うか、踏ん切りが付かなかったと言うか、結局我流で始めるのが今回となった訳です。
そして、今現在スピンアウトされた方々のケミカルを使用している主な理由ですが、、、
- 「ピッチレスコート」のバリエーションが増えすぎてしまったこと。
- 「プレミアコート」が特殊な入手方法となり、かなり高額なケミカルとなってしまったこと。
まず「ピッチレスコート」ですが、今現在 7 種類も 3 種類あるようです。
・ピッチレスコート
・ピッチレスコート W1
・ピッチレスコート W2
・ピッチレスコート W3
・ピッチレスマイルドコート(調合用)
・ピッチレスコート W02
・ピッチレスコート W
・ピッチレスコートスーパー W → ピッチレスコート SWこれだけのバリエーションとなると、使用用途が判らなくなり正直迷います。
また、価格がだいぶ高価になってしました。
「ピッチレスコートスーパー W SW」が 100ml で ¥22,000 ¥19,800 です!?
次に「プレミアコート」。
「プレミアコート」ですが、汚れ除去能力を削り艶出し保護効果を高めたケミカルでした。
癖が強いケミカルでしたが、上手く施工できると至福の喜びとなりました。
現在で言う「 SLICK & SLIDE 」です。
滑り性と輝きが大幅に向上するものでした。
ボンネットに置いたクロスがサーッと滑り落ちてしまったことと、眩いばかりの輝きに驚愕しました。
定期的に洗車を継続していて汚れの付着が少ない場合、あるいは「ピッチレスコート」のオーバーコート剤として使用出来るものでした。
そう、大好きなケミカル剤だったんです♪
そんなケミカルがいつしか姿を消していました。
一度販売元に問い合わせたことがあります。
ご丁寧な回答をいただきましたが、その内容は咀嚼して腹落ちするものではありませんでした。
ただ、「プレミアコート」の再販を望むのは、自分だけではなく結構落ち合せがあるとのことでした。
そして、今現在洗車道場でのへ行けば購入できるような記載もあります。
100ml で ¥55,000 とのこと。
また、情報が色々と錯綜しているようです。
価格が異なっていたり、販売しているのか否かよく分からないのが現状です。
シャンプー洗車については、多分シャンプーに含まれている界面活性剤の影響でシミや洗車焼けになるから真水での洗車が良いとのことをみなさん仰っています。
ですが、「ピッチレスコート」を始め、全てのクリーナーワックスには界面活性剤が含まれています。
この点について、咀嚼して腹落ちさせることができないのです。
洗車工程ではすぐに乾いてしまうことが懸念され、クリーナーワックスは乾く時間が長いからとは思っていますが。。。
多分、事情も色々とあるのだろうと察します。
とは言え、個人的に現状の販売方法や価格設定に納得することができず、本家のケミカル類から遠ざかる結果となりました。
ただ、バケツひとつと綿タオル 2 枚、そして 4 つのケミカル(ピッチレスコート、プレミアコート、P8 コート、ガラスコート)だけを持って駐車場へ行き、愉しみながら洗車をしていた時代は変わってしまったのかな?と感じています。
だとしても、「 AKI Car Wash Service 」さんは自分の中のレジェンドであり師匠であることには変わりありません。。。
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