クイックディテイラーの定義
実は、クイックディテイラー(QD)については、自分自身良く分かっていないのが実情だと思っています。
今現在、クイックディテイラー(QD)はこういうものだと、という明確な答えはないのではないかと感じています。
一般的によく言われる機能としては。
- 指紋や軽度なホコリの除去(軽い汚れ)
- 軽いスケールの除去(軽い汚れ)
- 艶出し保護効果がある。
- 潤滑性を保持している。
大きくはこの4つではないでしょうか?
その中でも、神風コレクションさんの “QUICK DETAILER 2.0” の商品説明が分かりやすいと思いました。
QUICK DETAILER
クィックディテイラーの定義は様々です。シリコーンベースのもの。界面活性剤を含むもの。
ワックス機能が強いもの、水染みや油分を除去するもの。
ほぼ水に近い製品、IPAなどの有機溶剤を占有している製品。弊社のこだわりは既存の皮膜に対しての「無攻撃性」
これは界面活性がほとんど含まれていないこと、そしてIPAなどの有機溶剤がほとんど含まれていないこと。
これが強いと下地に施工した皮膜の特性が失われてしまいます。
クイックディテイラーに必要なのはベースの皮膜に影響を与えないことが必要です。そしてほんの薄い「犠牲皮膜」を作ること。
この犠牲皮膜に使われる成分は発売予定のOVER COAT 6.0 LIQUIDに使用予定の酸性ベースのシリコーンレジン。撥水基を整えて艶感を少し与える。そして表面をクリーニングする
基本的な概念はKAMIKAZE COLLECTIONのANTI-AGINGのセオリーをそのままに、
より簡単かつ意味のある皮膜を施工することを重要としました。
分かりやすいと同時に、クイックディテイラー(QD)はこうあって欲しいなと思う自分の考えと同じなのです。
また、arinomama さんの「クイックディテイラーとは(その効果と使い方について徹底解説)」という記事も参考になります。
リンスレス洗車剤と似たもの同士
そして、当店が使用している P&S 社さんのリンスレス洗車剤 “ABSOLUTE” も、希釈率を変えればクイックディテイラー(QD)にもなるし、クレイバー潤滑剤(粘土処理潤滑剤)にもなるのです。
同じリンスレス洗車剤である、Optimum 社 “No Rinse Wash & Shine” ( ONR )も、希釈率を変えれば同様の使用方法が可能なのです。
となると、クイックディテイラー(QD)とリンスレ洗車剤は似たもの同士であり、それぞれの目的に対して味付けやレシピを変えたものだと認識できるかも知れませんね。
軽い汚れ?
どこのサイトでも、クイックディテイラー(QD)は「軽い汚れ」を除去できると書かれています。
そして、「指紋」と「スケール」というキーワード。。。
クルマの汚れは、有機質汚れと無機質汚れのふたつです。
「指紋」は油脂汚れであるため、有機質汚れです。
ただ、タールなどと比べれば、軽い有機質汚れです。
「スケール」は無機質汚れです。
その中でも軽い状態のものと言っており、軽い無機質汚れとなります。
ここに、クイックディテイラー(QD)の存在意義があると感じています。
つまり、神風コレクションさんが仰っている通り、クイックディテイラー(QD)は、
「既存の皮膜を攻撃しない程度の除去能力」
しかあえて持ち合わせないように作られているのだと思います。
「天然ワックス」は油脂なので有機質です。
「ガラスコーティング」は無機質です。
強い汚れ除去能力を与えてしまうと、それらの皮膜を攻撃してしまうのです。
だから、「軽い汚れ」というキーワドが溢れているのかなと思っています。
クイックディテイラーの個性
クイックディテイラー(QD)は、各製品ごとに色々な個性を発揮するように作られていると思います。
艶重視、汚れ除去重視などの方向性です。
当店が標準使用しているクイックディテイラー(QD)は、Sam’s DETAILING さんの “EXTERIOR DETAILER” です。
施工後、時間経過とともに「天然ワックス」と同等の光沢艶感、つまりウェットルックになるのです。
これはきっと、Sam さんのところの、カルナバスプレーワックスの成分が配合されていると感じています。
また、液性が弱酸性(リトマス試験紙で調べたところ 6ph 前後かと思います)に振られているので、軽い水アカ(スケール)も落としてくれます。
それに加えて、炎天下での施行でも、何も問題が発生しないところが素晴らしいと感激しています。
当店にとって、Sam’s DETAILING さんの “EXTERIOR DETAILER” はなくてはならない存在です。
ただ、、、
汚れ除去に特化したクイックディテイラー(QD)も使用してみたい想いに駆られ、最近もうひとつクイックディテイラー(QD)を入手しました。
KochChemie さんの “Finish Spray exterior” です。
液性を思いっ切り酸性方向に振った、水アカ(スケール)除去能力特化型のクイックディテイラー(QD)です。
商品情報を見ると、1.5ph だと記載されているように見えます。
お酢と同等かそれ以上かと。。。
この記事を執筆時点で未だ使用はしていません。
Sam’s DETAILING さんの “EXTERIOR DETAILER” のクイックディテイラー(QD)で、スケール汚れが落ちない状況下に備えて準備しました。
クイックディテイラーの恩恵
当店の「天然ワックス洗車」は、クイックディテイラー(QD)のおかげで施行コースが誕生しました。
詳しく言えば、「天然ワックス洗車」は天然ワックスを施工する洗車ですが、洗車メンテナンスでは毎回天然ワックスを施工するようなリッチな洗車はできるものではありません。
そこで、通常の「メンテナンス洗車」ではクイックディテイラー(QD)を使用することで、天然ワックス施工車の手軽なメンテナンスが可能となったのです。
もし、クイックディテイラー(QD)がなければ、本当に毎回天然ワックスを施工するようになってしまい、とてもコストがかかる洗車になっているところでした。
それか、汚れ除去に目を瞑り、洗車だけで終わらせていたかも知れません。。。
最後に
このクイックディテイラー(QD)ですが、少し思うところがあるのです。
それは、クイックディテイラー(QD)だけで完結する洗車コースが構築可能か?、ということです。
ベースコートはせずに、正しく言えばベースコートもクイックディテイラー(QD)で行い、メンテナンスもクイックディテイラー(QD)で行う。
汚れの蓄積が回避できない状態に陥ったら、酸性やアルカリ、グレイズなど他のケミカル剤で除去をして、またクイックディテイラー(QD)へ戻る。
これって、「いなかの洗車屋さん」のコンセプトなのです。
とにかく僕はクイックディテイラーというジャンルが大好きです。
1回の施工で汚れを落としつつコーティングまで出来るなんてこんなに楽で時短なものはありません。
【最小限】のアイテムで【最大限】のメンテナンス。引用元:いなかの洗車屋さん
時間が短縮できれば、施工作業工数が連動して少なくなります。
施工作業工数が少なくなると、コストも安価となり連動してサービス料金も安価なものとなります。
ただ、仕上がりと防汚性如何によると思っています。
昨今、スノーフォーム洗浄/シャンプー洗浄/細部洗浄/鉄粉除去/酸性ケミカル洗浄/油分除去剤クリーニング/コーティング施工といった、重厚なリセット洗車をよく目にします。
憧れを持っています。
しかし、残念ながら当店での出張洗車では実現不可能な施工内容一式なのです。
一部、部分的には施工可能なものもありますが。。。
そんな状況下で、重厚なリセット洗車の対岸に位置するだろう、「クイックディテイラー(QD)洗車」というものを考えてみたいのです。
いなかの洗車屋さんが仰るところの、「【最小限】のアイテムで【最大限】のメンテナンス」を検討してみようかと思っています。
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