クルマに付着する汚れは、大きくふたつだと思います。
有機質の汚れと無機質の汚れ。

有機質の汚れは、
 1. 油脂汚れ
 2. 鳥フン
 3. 虫
 4. 花粉
などです。
無機質の汚れは、
 5. 鉄粉
 6. 黄砂
 7. スケール(イオンデポジット、水垢)
などです。

そして、「凸状痕」「凹状痕」
多分、一般的な言葉ではありません。
「スケール」のことを調べると、スケール、イオンデポジット、水垢、水シミ、ウォータースポットなど多様な言い回しで溢れていて、少し言葉の意味が判らなくなってしまいました。
そんな時に、PROVIDE さんのスケール除去剤説明において、「”凸状スケール痕”」という表現をされており、これが一番判りやすい表現だと感じてこれで識別しようと思いました。

「凸状痕」とは、塗装面の上に汚れがある状態のこと。
つまり、単なる「汚れ」です。
どんな汚れでも、ボディに付着した時点では全部「凸状痕」状態であるはずです。
その「凸状痕」状態の汚れが、時間経過(放置)とともに塗装面に侵食してしまった状態を「凹状痕」または「シミ」と区別することにしました。

つまり、
「凸状痕」「汚れ」「洗車メンテナンスで除去可能なもの」
「凹状痕」「シミ」「洗車メンテナンスで除去不可能なもの」
と考えることにしました。

油脂汚れ

油脂汚れは時間経過(放置)しても、塗装面を侵蝕するようなことはないと思っています。
つまり、「凸状痕」「汚れ」「洗車メンテナンスで除去可能なもの」です。
対処は、通常の洗車や油脂汚れ除去剤油分除去剤などを使用するメンテナンスで可能です。
洗車の流儀 #5 「油分除去剤とクリーナーワックスとワックス下地処理剤」を参照)

鳥フンと虫

鳥フンには酸性物質が含まれているとのこと。
虫にもシュウ酸カルシウムやたんぱく質、多糖酸、蟻酸などの酸の性質があるとのこと。
よって、時間経過(放置)すると、塗装面に浸潤することがあります。
つまり、「シミ」になってしまう可能性があります。
また、両方とも時間経過で乾燥すると、固くなってしまい取りづらくなってしまいます。
対処は、両者とも見つけ次第除去することです。
すぐに見つけた(柔らかい)場合には、濡れたクロスなどで拭えば良いと思います。
時間が経過し固くなってしまっていたら、ケミカルなどを使用しふやかしてから除去すると良いと思います。
鳥フンや虫用のケミカルは、
 ・Sam’s Detailing INSECT REMOVER
 ・洗車の王国 虫クリン
など、色々とあります。

自分の場合ですが、ガラス清掃用に PiKAL のグラスターゾルオートを常備してあるので、それでシュッとやっています。

花粉

花粉は、少し不思議です。
花粉の中には「ペクチン」と呼ばれる多糖類が存在しており、花粉が水に濡れたりして弾けてしまうとその「ペクチン」が出てくるそうです。
多糖類なので、ベタベタした感じになるとのこと。
そしてこの「ペクチン」、塗装面に浸潤するらしいです。
塗装面に入り、乾燥すると収縮し同時に周辺の塗装組織が引っ張られシミになるとのこと。
つまり、花粉も「ペクチン」によって、「シミ」のとなります。
ですが、、、

夏の暑さで自然と消え去るようです。。。

自分自身、花粉でこのようになった経験はありません。
それとも、気付かぬうちに暑さで消え去ったのかも知れません。

対処は、付着したら洗車で落としてみる。
落ちなかったら、油脂汚れ除去剤や鳥フン虫ケミカルで除去を試みる。
それでもダメだったら、クロスを敷いて 50 度あるいは 80 度ぐらいのお湯をかけたりすれば消え去るそうです。
よって、シミができたからと言って、研磨はしない方が良いと思います。
夏になれば何事もなかったように消え去ってくれるので。

鉄粉

鉄粉は、「凸状痕」「汚れ」です。
ですが、自分自身鉄粉除去をしたことはほとんどありません。
硬化系コーティングを施工するときにしたぐらいです。
通常の洗車メンテナンスで鉄粉除去はしていません。
その結果、マイナスのことが発生したかと問われれば、ありませんでした。。。

よく鉄粉でボディの錆につながるようなことを聞きますが、自分は少し懐疑的に感じています。
鉄粉が錆につながるのであれば、かなり大きな鉄粉かかなりの量が付着しなければそうならないと思います。

いずれにしても、ボディのザラザラ感が気になり始めたら、鉄粉除去剤で除去すれば大丈夫です。
また、洗車メンテナンスにおいて、油脂汚れ除去剤やクリーナーワックスに含まれている微粒子研磨剤、クリーニングパウダーなどが、鉄粉も落としてくれているような気がしています。

黄砂

黄砂も、「凸状痕」「汚れ」です。

普通の砂もそうですが、ボディ上で引き摺ると傷が入ります。
よって対処は、水やシャンプーなどで洗い流すか、その汚れを浮かして除去すれば問題ないと思っています。

スケール

スケールです。
イオンデポジット、水垢、ウロコなどと色々な表現が散見されることは、冒頭で述べました。

K’s Garage Works が思うスケールとは、塗装面に付着した水や雨が蒸発していく過程において、水分に含まれていたミネラル分や大気中の汚れや塗装面上の汚れ(凸状痕)だけ残ってしまったものだと認識しています。
その時点では、スケールは未だ「凸状痕」「汚れ」「洗車メンテナンスで除去可能なもの」です。

しかしながら、時間経過(放置)に伴い、塗装面を侵蝕するようになってしまいます。
ウォータースポット、クレーターダメージ、陥没痕などと呼ばれるものです。
つまり、放置してしまうと「凹状痕」「シミ」「洗車メンテナンスで除去不可能なもの」に変貌を遂げてしまうのです。

対処は、溶かすか削るかです。

未だ「凸状痕(汚れ)」である場合には、酸性系のケミカル、酸性シャンプー、スケール除去剤や弱酸性のクイックディテイラー( QD )などで柔らかくして除去するか、クリーナーワックスの微粒子研磨剤、クリーニングパウダーで掻き取って除去すれば対処できます。
しかしながら、「凹状痕(シミ)」となってしまった場合には、機械式研磨での対処となります。

そして、「凸状痕(汚れ)」から「凹状痕(シミ)」に変貌を遂げる期間が重要で、洗車メンテナンスで対応できる「凸状痕(汚れ)」であるうちに除去することが一番簡単で安全だと思っています。
言い換えれば、これが洗車頻度を決めるパラメーターとなる訳です。

最後に

前述の通り、K’s Garage Works が思う汚れの特徴と対処を書かせてもらいました。
結局は、「凸状痕(汚れ)」である状態で洗車を行うことが一番なのです。
一番楽で、安全で、確実なのです。
これが、「持続するクルマの輝きは、継続する洗車によって実現する。」というポリシーとなる所以なのです。

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