「天然ワックス」については当ウェブサイトでも色々と書かせてもらっていますが、今回は飾らず本音を吐露してみようと思います。
まず冒頭に言ってしまいますが、「天然ワックス」推しの理由は下記の通りです。
「天然ワックス」は懐が深いからです。
クリーナーワックスとの出会い
自分自身は、およそ 20 年ぐらいクリーナーワックス愛好者でした。
シリコーン、界面活性剤、微粒子研磨剤、有機溶剤の油脂系クリーナーワックスです。
これらの成分が気になる方々も居られるでしょうが、使用目的を達成する本質が重要であって、達成する手段(成分)は好みの問題や弊害の有無は気にしますが、あまり過敏にならないように気を付けています。
過敏になってしまうと、本質を見失うことが多々あるからです。
このクリーナーワックスを使用し始めた契機は、長年水道設備がない駐車場環境がその理由です。
要は、「水が潤沢に使えない環境下では洗車はできないのか?」、という課題解決を模索している中で辿り着きました。
バケツの水で洗車をしてしまう手法です。
今でこそ、「無水洗車」や「リンスレス洗車」といったキーワードを目にしますが、その当時はなかったように記憶しています。
ただ、この手法はボディコンタクトを行う前に、傷を引きずる表面層の軽い汚れを除去することが目的であり、それ以上の汚れはクリーナーワックス、つまり「油脂汚れ除去剤(油分除去剤)」に艶出し保護機能も付与したケミカル剤を使用して、汚れ除去と傷埋め、艶出し保護を同時に行うものでした。
とても理に適った手法だと思っています。
クリーナワックスとの別れ
そんなクリーナーワックスと 20 年ぐらい一緒にカーメンテナンスを共にしてきたのですが、別れの時が訪れました。
引っ越しをして、青空駐車環境になった時、クレーターダメージを被ってしまったことがその理由です。
被ったという表現をしていますが、自分のミスでクレーターダメージを発生させてしまったのです。
そのミスとは、汚れが固着する前に洗車を行うメンテナンスを守り切れなかったからです。
では、何故守り切れなかったか?
屋根あり駐車場環境下では、水アカ(スケール)とは無縁なボディ状況であり、スケール除去剤などとは縁がありませんでした。
正しく言えば、スケール除去剤を使っても、反応はなく水アカ(スケール)は付着していない状況でした。
その屋根あり駐車場環境の恩恵(降雨、夜露朝露からの防御)を、クリーナーワックスの効果だと勘違いしていたのです。
その勘違いが、守り切れなかった理由です。
今振り返れば、大馬鹿者です!
クリーナーワックスの販売元は、
「汚れが固着する前に洗車を行うことが重要であり、固着した汚れは除去できません。」
と仰っています。
その間隔は 2 週間ぐらいだと、具体的にも教えていただいています。
ですが、今回放置してしまった期間は1ヶ月ちょっとぐらいでした。。。
「天然ワックス」へのシフト
推奨される洗車メンテナンス方法(タイミング)を守れなかった自分のミスですが、同時に防汚性/耐久性が思っていた以上に脆弱なものだと正直感じてしまいました。
洗車メンテナンス方法(タイミング)や駐車環境によって、有効な手段であることは変わりありません。
ただ、青空駐車環境下だと、このようなミスはダメージを被る事実が存在します。
当店でも、洗車メンテナンスのサイクルを、2週間〜3週間に1回のタイミングで推奨しています。
ただ、ご自身で施行される場合、2週間〜3週間に1回の洗車メンテナンスを本当に実施できる方がどれだけ居られるのだろうか?、という疑問が生じていました。
だからこそ、「メンテナンス洗車」というコースを設定して、お任せいただけるようにしています。
しかしながら、自分自身に当てはめて考えると、1ヶ月〜1ヶ月半に1回の洗車メンテナンスが実態であり、お恥ずかしい限りだと思っています。
当然同じ過ちは繰り返さないよう、クリーナーワックスに代わるものを探しました。
その頃は、「グラフェン」が注目され始めていました。
耐久性、耐熱性、防汚性、耐傷性、耐薬品性が優れているとのことでしたが、強固な性能故に剥がし方(落とし方)に不安がありました。(「油脂汚れ除去剤(油分除去剤)」で落とせるようです。)
また、硬化時間が必要であることから、あまり自分の琴線には触れませんでした。
同様に、ガラスコーティングやセラミックコーティングも硬化時間が必要なので、自分の洗車スタイルに適さないのです。
で、薄々と感じていたのですが、やはり「天然ワックス」が良いのではないかと感じて、少し調べてみたのです。
ここで言う「天然ワックス」は、「 T1 グレードのカルナバ蝋をベースに、他の天然蝋と良質なキャリアオイルで創り上げられた固形ワックス」を指しています。
排水性は変化するけれど、優れた防汚性、つまり水アカ(スケール)が付着し辛く、紫外線への抵抗力も強く、耐久性もメンテナンスを行えばそれなりに保持される能力を保持している。
また、容易に剥がす(落とす)ことができるので、着たり脱いだりが手軽に行える。
それに、やはり艶感が圧倒的に素晴らしいと個人的には感じていたのです。
そして、「クリーナーワックス」から「天然ワックス」へシフトして、自身のクルマで検証をしてみました。
結果として、同じように青空駐車環境で1ヶ月半ぐらい放置しても、水アカミ(スケール)は付着することはありませんでした。。。
クイックディテイラー(QD)の台頭
前述で使用した「天然ワックス」は、Sam’s DETAILING さんの “SIGNATURE PASTE WAX” です。
Sam さん曰く「最大3ヶ月間保護します。」と言っています。
混じり気がないピュア系のワックスです。
メンテナンスは、洗車(リンスレス)とクイックディテイラー(QD)の使用のみ。
クイックディテイラー(QD)は、同じく Sam’s DETAILING さんの “EXTERIOR DETAILER” です。
今現在、色んなクイックディテイラー(QD)が存在し始めたことにより、大幅に洗車メンテナンスの作業性が向上したと痛感しています。
また、潤滑性能も保持しているので、摩擦傷も軽減されます。
汚れ落としもできて、艶出し保護もしてしまう。
これって、クリーナーワックスと同じ機能なんです。
ただ、、、
塗って拭き上げるのではなく、スプレーして拭き上げるだけです。
作業性の差は明らかです。
しかしながら、汚れの除去能力はクリーナーワックスの方が秀でていると思います。
秀でているがこそ、施工した「天然ワックス」は剥離されてしまうのです。
油脂汚れ除去剤(油分除去剤)も然りです。
何故なら、「天然ワックス」も油脂なので。
そして、同じ洗車メンテナンスサイクルであれば、毎回クリーナーワックスで塗って拭き上げる作業負荷と、クイックディテイラー(QD)でスプレーして拭き上げる作業負荷を比べれば、圧倒的にクイックディテイラー(QD)が秀でていると思います。
また、クイックディテイラー(QD)には、微粒子研磨剤は配合されておらず、液性を酸性側に振ることで水アカ(スケール)除去能力を向上させることが可能で、既に水アカ(スケジュール)除去機能に特化したクイックディテイラー(QD)も存在しています。
要は、ベースコートである「天然ワックス」を殺さず、最大限に活かしてくれるのがクイックディテイラー(QD)なのです。
「天然ワックス」を推す理由として、このクイックディテイラー(QD)の台頭の恩恵も忘れてはいけないと思っています。
「天然ワックス」推しの本音
冒頭で言った通り、「天然ワックス」推しの理由は、「天然ワックス」は懐が深いからです。
「懐が深い」と言う意味は、
当店でも、洗車メンテナンスのサイクルを2週間〜3週間に1回のタイミングで推奨していますが、そのタイミングで洗車メンテナンスができなくてもダメージを受ける確率が少なく、「忙しいから仕方がないよね!」と許容し受け入れてくれる器の大きさがあるからです。
2週間〜3週間に1回のタイミングでの洗車を推奨していても、実際にそのタイミングで洗車メンテナンスができているオーナーさんがどれぐらいいるのでしょうか?
→ 正直、自分自身の場合は、1ヶ月〜1ヶ月半に1回ぐらいのサイクルになってしまっています。
推奨される洗車タイミングを逸した場合に、痛いしっぺ返しを受けないとならないのか?
→ だとしたら、あまりにもシビアな現実です。
正直に言いますが、推奨している2週間〜3週間に1回の洗車サイクルを逸しても、ある程度の期間であれば「天然ワックス」が何とかしてくれます。
自分自身の経験から言えば、1ヶ月〜1ヶ月半ぐらいは何とかなりそうだと感じています。
2ヶ月間放置したことはないので定かではありませんが、タイミングを逸したとしてもそのぐらいの猶予期間を当店では設けているのです。
ただ、時間がないのであれば、ガソリンスタンドの洗車機を使用し(必ず水洗い洗車コースを選択)、その後クイックディテイラー(QD)、あるいはカルナバ配合の良質なスプレーワックス( Sam’s DETAILING さん、VONIXX さん、ABSOLUTE WAX さんなど)を使用してメンテナンスすれば大事には至りません。
今現在、クルマの美観維持における最良の手法のひとつが、ベースコートとして「天然ワックス」、メンテナンスケミカルとして「クイックディテイラー(QD)(スプレーワックス)」の組み合わせだと確信しているのが本音です。
また、人気のケミカル剤を販売されている気になるディテイラーさんたちが、必ずひとつは「天然ワックス」を開発して販売されていることやケミカル剤にカルナバ蝋成分を包含されていることは、やはり同じようにカルナバ蝋に魅せられていると感じています。
ウェットルックな艶感、高い防汚性(耐紫外線も含む)、服を脱ぐように剥がせる手軽さ、そして懐の深さが、自分にとっての大きな魅力となっています。
ただし、同等かそれ以上の「天然ワックス」ではないスプレー式コート剤が存在しているのであれば、試してみなければならない課題だと認識しています。。。
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