サービスをご提供する以上、結果が伴わなければならない。
かと言って、肩肘張って施工することも違うと思い始めてから、だいぶ気分的に楽になりました。
手を抜くとか雑とかいうことではなく、背伸びをせずに自分流の自然体でという意味です。
日常のひとコマに、洗車という風景が溶け込み普通にそこにある光景が望ましいと感じています。
「じゃあ、汚れたタイミングでまた来ますね。」と。。。

趣味の洗車とは異なり日常の中にある洗車であれば、厳格さも荘厳さも不要だと個人的には感じています。
正しく言えば、そう感じるようになってしまったのです。
レイヤリング、積層化と呼ばれる繰り返しケミカル剤を重ね塗る施工。
膜厚を上げて奥行きや深みを出し防汚性を上げるとは思うのですが、膜厚を上げても汚れは付着します。
硬化系のコーティング。
鎧を纏わせることになりますが、やはり汚れは付着します。
油脂系のコーティング。
艶感と光沢感は素晴らしいのですが、やはり汚れは付着します。
何のコーティングも施工していない場合でも、汚れは付着します。
つまり、どう足掻いても、クルマは汚れてしまうのです。
また、悲しい現実ですが、汚れを除去する行為は折角護ろうと思い纏わせたコーティング層を剥がす方向へ向かってしまうのです。。。
では、何故汚れを除去しなければならないのでしょうか?
よく例えられるのが虫歯です。
歯の汚れを放置すれば虫歯になります。
エナメル質が侵蝕されてしまうのです。
そうなると、侵蝕部分を削り込み、埋め直したり被せたりします。
クルマの塗装面も同じであり、汚れを放置して固着させるといずれ塗装面が侵蝕されてしまうのです。
そうなると、虫歯と同じように塗装面を削ることになるのです。
それを避けたいことと美観を維持したいことが、汚れを除去する理由だと思っています。
しかしながら、面白い見解もあります。
あくまでもひとつの見解ですが。。。
少し脱線してしまいましたが、硬化系コーティングにしろ油脂系コーティングにしろ汚れの付着を防ぐことができないという現実があります。
となると、汚れが付着して固着することに対して、カウンター防御策として何ができるのか?
今現在であれば、それは洗車しかないと思っています。
汚れが固着する前に洗車をする。
そのルーティンを繰り返す。
これしかないと認識しています。
ただ、洗車って面倒くさいですよね?
自身のクルマに対して、正直自分もそうでした。
では、如何にルーティンとしての洗車を継続するかということになりますが、それは気楽な洗車だと思い始めたのです。
例えば、自宅で洗車できない場合はコイン洗車場へ行くかと思います。
ですが、特に休日であれば混んでいる可能性が高く、順番待ちをすること自体が時間の無駄であり待つこと自体が嫌になってしまいます。
そんな嫌なことと感じてしまう前に、洗車をしたいと思った時に自宅で洗車することを考えれば良いのかなと思っています。
自宅に水道設備などがなくても、当店(自分)が採用しているリンスレス洗車や無水洗車であれば洗車ができてしまいます。
無水洗車は、無水洗車剤というケミカル剤があり、ボディに直接スプレーして拭き上げてしまう洗車方法です。


また、自宅で洗車できる場合でも、バケツやホースやシャンプーを準備してさあやろう!と意気込まないとなかなかできませんよね?
そんな時には、素洗車でも良いのかなと思っています。
シャンプーも使わず、水を掛け流しながらタオルで撫でて拭き上げるだけ。
場合によっては、これだけの洗車でも構わないと思っています。
これにプラスして、クイックディテイラー(QD)などを施工すればより良いと思います。
あと、このケミカル剤も至極便利で秀逸だと認識しています。

ピカールでお馴染みの日本磨科工業さんのグラスターゾルオートです。
自分自身が唯一クルマの中に常備して切らさないケミカル剤であり、多用しています。
毎日クルマを使用しているのですが、出発する際にフロントとリアガラス、サイドミラーをこのグラスターゾルオートで必ず清掃しているのです。
エアーゾルというかガスゾルというか、スプレー噴射タイプです。
噴射後、白い液剤が発泡して泡泡になります。
成分はシリコーンオイルとアルコール(IPA?)のようです。
シリコーンなので、施工しているガラスコーティングに対しても延命作用を発揮してくれています。
発泡してくれるので、合わせて汚れも浮かせてくれます。
よって、無水洗車にも使える代物だと思っています。
鳥フンや虫、ちょっとした汚れの取り去る時にシュッと吹きかけても利用しています。
また、自分で洗車をする時間さえない時には、躊躇せずガソリンスタンドの機械式洗車機を使うべきだと思っています。
汚れを放置するよりは洗車傷が付くことを選ぶべきだとの考えです。
そして、今でこそクイックディテイラー(QD)を使用していますが、以前はスタンドでの機械式洗車後にこのグラスタゾルオートを多用していました。
濡れたボディにもそのまま使えるのです。
洗車後、濡れたボディにそのままグラスターゾルオートを噴射して塗り込み、乾拭き上げをすると見事に綺麗になります。
洗車は塗装面へ直接物理接触を行う行為なので、多かれ少なかれ傷が入る可能性があります。
むしろ、傷が入る認識でいるべきだと考えます。
傷が入ることに躊躇して洗車をしなければ、塗装面が虫歯(陥没痕)になります。
オーナーとして、洗車傷と虫歯(陥没痕)のどちらを選ぶのかだと思っています。
リンスレス洗車や無水洗車はどうしても傷が入ることを懸念しがちですが、その使い方や工夫によって傷が入ることをかなり抑止できると今は考えています。
基本的に両者とも、リンスレス洗車剤や無水洗車剤というケミカル剤を使用するのが一般的です。
これらのケミカル剤は、汚れを浮かし潤滑性を高めることが目的です。
そういう意味では、シャンプーとも同じだと言えます。
ただ、無水洗車剤の場合は艶出し効果を持つものがほとんどです。
代表的な洗車方法の手順をまとめてみます。
「バケツ一杯の洗車術」
1. 水を含ませたタオルと硬く絞ったタオルの2枚を準備する。
2. 水を含ませたタオルでボディを撫で、汚れを水滴に吸わせる。(?)
3. 汚れを吸った水滴を、硬く絞ったタオルで吸い上げ回収する。
「リンスレス洗車」
1. リンスレス洗車剤溶液をスプレーして汚れをふやかし浮かせる。
2. リンスレス洗車剤溶液を含ませたタオルやスポンジで撫で、汚れを除去する。
3. 硬く絞ったタオルで吸い上げ回収する。
「無水洗車」
1. 無水洗車剤をスプレーして汚れをふやかし浮かせる。
2. 浮いた汚れをタオルで回収する。
3. 乾拭きを行う。
「シャンプー洗車」
1. ボディ上の汚れを洗い流す。(水あるいはスノーフォーム)
2. シャンプーを含ませたタオルやスポンジで撫で、汚れを除去する。
3. 濯ぐ。
4. タオルで拭き上げる。
「機械式洗車」
1. シャンプーを吹きかけつつ、回転布ブラシで汚れを除去する。
2. ブロアーで乾燥させる。
このようにまとめると、「汚れを浮かして、浮いた汚れを回収する。」ことが共通事項です。(「機械式洗車」を除く)
つまり、洗車の目的は、
「汚れを浮かして、浮いた汚れを回収する。」
こととなります。

これは、その後塗装面への物理的接触行うため、異物による引き摺り傷(洗車傷)を発生させないために他なりません。
ただ、塗装面に付着した粉塵汚れを放置していると、外的要因(降雨、排ガスなど)によって粉塵汚れと混じり、固着した汚れとなり虫歯(陥没痕)となります。
それを抑止する意味もあります。
つまり、それが素洗車となるわけです。
では、洗車後のアクションですが、それは塗装面の状態によって分かれます。
塗装面の状況が良好であれば、クイックディテイラー(QD)やそれこそグラスターゾルオートの適用のみで良いはずです。
良好でない場合には、油分除去剤/スケール除去剤/クリーナーワックスなどでの汚れの除去が必要となります。
そして、良好な塗装面を維持するには、上記の通り汚れを固着させないためのこまめな洗車が一番有効だと考えているのです。
その洗車の意味ですが、これも前述の通り、
「汚れを浮かして、浮いた汚れを回収する。」
ことです。
これを実現するには、荘厳でリッチなケミカル剤やツールは要らないと思っています。
そのように考えるからこそ、洗車が億劫になってしまうのです。
「汚れを浮かして、浮いた汚れを回収する。」のに必要なものは、
・スプレイヤー(水やケミカル剤をスプレーして汚れを浮かせるため)
・水やケミカル剤(リンスレス洗車剤や無水洗車剤、水だけでも構わないと思い始めています。)
・洗車(水拭き)用タオル(浮いた汚れを絡め取り、濯いだ時に汚れが落ちやすいマイクロファイバーなど。)
・拭き上げ用タオル(ドライタオル、綿タオルでも構わないと思っています。)
・バケツ(洗車(水拭き)用タオルと拭き上げ用タオルの汚れを落とせるもの。)
だけです。
その中で一番重要だと認識を新たにしたのがバケツです。
せっかく汚れを浮かし回収したのに、その汚れが落ち切らないままタオル使用すれば異物による引き摺り傷(洗車傷)を発生させてしまう悪循環に陥ってしまうのです。
バケツの中でタオルをもみ洗いすることも肝心ですが、こすり洗いもするべきだと考えています。
こすり洗いする洗濯板が必要だと思っています。
しのピーさんのグリタマやDETAIL GUARDZ さんの SCRUB WALL です。

ケミカル剤が汚れをカプセル化して沈殿化させる機能を保持しているようですが、物理的にタオルに付着した汚れをタオルから引き剥がすことが必須と認識し始めました。
これらを準備できれば、もうこっちのもんです!
いつでも好きな時に、好きな場所で、周り迷惑をかけることなく気軽に洗車ができるのです。

1. 水あるいはケミカル剤(溶液)を塗装面にスプレーして汚れをふやかし浮かせる。
2. 水あるいはケミカル剤(溶液)を含ませたタオルで撫で、汚れを拭って除去する。
3. 硬く絞ったタオルやドライタオルで吸い上げ回収する。
たったこれだけです。
ポイントは、ゆっくりと優しくです。
浮いた汚れは、拭き取るのではなく拭うイメージです。
これが当店(自分)の気軽な洗車(リンスレス洗車)です。
リッチで荘厳な洗車もたまには良いですが、日々のこまめな洗車、日常に溶け込む洗車はこんな感じが良いと思っています。
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